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2011-07-03

お前に日本音楽史上に残る「名曲(迷曲)」教えてやろう。

 このエントリーはこちらの2ちゃんねるまとめ記事「日本音楽史上に残る「迷曲」教えてくれ 路地裏音楽戦争」への返歌である。元記事が歌唱力残念系に偏っているのでバランスを取って紹介してみたいと思う。

●「ふたりで竜馬をやろうじゃないか」/堀内孝雄 with 五木ひろし

 出落ち、というか個人的なイメージから来るタイトル落ちである。曲自体は『はぐれ刑事純情派』最終シリーズの主題歌として相応しいアップフロントエージェンシー(モーニング娘。の事務所)の二大巨頭が共演する至極真っ当な物であるのだが、そのなんというか最初タイトルを聞いた時に「幕末物の薄い本のタイトルにぴったりだな」と思ってしまったのである。以降この曲を聴く度にそういうイメージが頭に浮かんでしまうのだ。ちなみに当方幕末物は範囲外なので実際そういうタイトルの薄い本が出たのかは知らない。

 なお発売当時なぜか森山直太朗が自身のラジオで大プッシュしており、後に堀内孝雄とこの曲を一緒に歌った模様(下の動画参照)。

●「宇宙旅行の渡り鳥」/小林旭

 大御所といえばやはり小林旭を忘れてはいけないだろう。俳優としても「渡り鳥」シリーズや「旋風児」シリーズなどの代表作を持ち、歌手としても「恋の山手線」、「自動車ショー歌」、「昔の名前で出ています」、「赤いトラクター」、「熱き心に」という代表曲を持つ文字通りの大スターである。そんな彼が主演した映画『ギター抱えたひとり旅』の挿入歌がこの「宇宙旅行の渡り鳥」だ。「渡り鳥」シリーズじゃないのになんで渡り鳥と付いた曲なんだろうという疑問が浮かぶかもしれないが、曲を聴けばそんなことはどうでもよくなるのは間違いない。なんせ狭い地球に住み飽きた渡り鳥が宇宙を彷徨い「ツートト、ツートト」とモールス信号で歌っているのだから。

 小林旭には他にも「証城寺の狸囃子」、「ほらふきマドロス」、「スキー小唄」、「恋の世界旅行」、「ショーがないね節」などの怪作があるので、気になる方はCDなどを探してみるのも良いだろう。

●「表参道軟派ストリート」/水谷豊

  俳優が歌を唄いヒットを飛ばすというのは別に珍しい話ではなく、近年『相棒』への出演によって世代を超えて再ブレイクを果たした水谷豊もまた歌手としていくつものヒット曲を持つ俳優のひとりである。

 そんな水谷豊の曲の中で最も異色と思われるのがこの阿木燿子&宇崎竜童の黄金コンビを迎えて1978年に発表された「表参道軟派ストリート」である。曲の出だしや間奏部に当時の水谷豊らしいチンピラ風ナンパ師の語りが入るところだけでも十分なのに、更にサビの部分での「西は大阪 難波ストリート ここは原宿表参道 軟派ストリート」という駄洒落まで付いてくるのだがからたまらない。
 なおこの曲が発表されてから30年ほど経ったのち、当時の歌番組でこの歌を唄うVTRを見せられたあとに語りを杉下右京風に変えてスタジオライブをするという羞恥プレイが行われたことを付け添えておく。

●「ビューティフル・サンデー」/トランザム

 狙ってないのにある種の磁場に吸い込まれ不思議な空間のど真ん中に投げ込んでしまうのは何も俳優だけではない。時として実力のあるバンドもその磁場に抗えず素晴しい曲をこの世に送り出してしまうことがある。「白いボールのファンタジー」などの代表曲を持つチト河内(クニ河内の実弟)率いるトランザムのこの歌もそんな曲の一つである。

 タイトルから分かるようにこの曲はダニエル・ブーンの同名曲の日本語カバーである。一般的には田中星児による日本語カバー版が有名ではあるが、トランザム版は田中版と同時発売でオリコンチャートにも同時に10位以内にランクインしていたりする(田中版の方が順位は上だが)。日本語歌詞は田中版は彼自身、トランザム版は松本隆が手がけている。そのせいで田中版は出だしが「さわやかな日曜 降りそそぐ太陽」と実に爽やかな物であるのに対して、トランザム版は「隣に住んでる 下宿屋のマドンナ」と始まり全編通して学生街のボロアパートに住む大学生がお姉ちゃんを口説いているような感じの素晴しい一品に仕上がっている。

●「お宮さん」/ザ・トイーズ

 バンドブームの先駆けであるGSブームの時、色々なグループが乱立しそれに比例するように様々な怪作が世に送り出されていた。この曲もそんな怪作の中の一作である。

 タイトルを見て分かった人もいるかもしれないが、この曲は『金色夜叉』の寛一とお宮を題材にしている。海外の人らしいボーカルがかなり流暢だけども所々舌っ足らずになる日本語で寛一の視点で語られる恨み節をエレキに乗せて歌い上げている怪作である。

 残念ながらオリジナルの動画は発見できなかったので現代のバンドがライブでカバーしている動画を添えておく。かなり忠実に再現しているので雰囲気は感じ取れると思う。

 なおザ・トイーズには「じょんがらゴーゴー」というエレキでじょんがら節をやる怪作も存在しているので機会があればそちらも試してみるといいかもしれない。

●「ディスコ天国」/Mitchie

 じょんがら節は何かといろいろアレンジされやすい物であるらしくディスコブームの時にはMitchieという歌手による「ディスコじょんがらぶし」というものも発売された。このMitchieという歌手、実はディスコブームに乗じてイメチェンを図ったレジェンド演歌歌手三橋美智也その人だったりするのである意味当たり前の曲なのかもしれない。

 さてそんなMitchieの集大成とも言える曲がこの「ディスコ天国」だ。ファンキーなオケとコーラス、当時のアイドルの名前を織り込んだダサイと紙一重の歌詞、ソウルフルなこぶしをきかせるMitchieの歌声、間奏で炸裂する三味線、と何もかもが完璧なディスコソングだ。

●「X+Y=LOVE」/ちあきなおみ

 Mitchieほどではないが、芸歴が長い歌手には変な方向に振れた歌が1曲や2曲あるものである。この曲はちあきなおみにとってそんな歌であると私は確信している。絶えずどこか情念を感じさせるちあきなおみの歌声で「ラブラブアイラブユー」と言われる居心地の悪さを堪能して欲しい。

●「みにくいアヒルの子」/ビリー・バンバン

 このように歌と唄い方のミスマッチというのも何かと楽しいものである。もう一つのその例を挙げておこう。

 ビリー・バンバンといえばある年代までの静岡県民にとってお兄ちゃんが土曜の朝の顔だったりする事で有名な、爽やかなコーラスを聴かせる兄弟デュオである。

 そんな彼らが「ぼくの背はひくいのです」と始め、「恋人なんて出来ないんです こんなぼくだけど生きていた方がいいのでしょうか」と続き、「みにくいアヒルの子が美しい鳥になったのはオトギ話の中だけのこと」と爽やかに歌い上げるこの曲などは落ち込んだ時に聴くと良いのではないだろうか。

●「ああ北海道には雪がふる」/鶴岡雅義と東京ロマンチカ

 曲やメインボーカル自体は普通なのにコーラスが別な方向に引っ張って行ってしまっている曲というものも存在する。その一つが「小樽のひとよ」などのヒット曲で知られるムード歌謡グループ鶴岡雅義と東京ロマンチカによるこの曲だ。

●「雨の朝の少女」/ジャッキー吉川とブルー・コメッツ

 もう一つコーラスものを紹介しておこう。GSブームを支えたジャッキー吉川とブルー・コメッツの実質的なラスト・シングルであるこの曲は「雨の朝に少女は死んでた」という出だしから始まるGS時代完全終了を告げたレクイエムとも言える名曲だ。「ダバダバ」言ってるコーラスを除けば。

●「筑波山麓合唱団」/デューク・エイセス

 コーラスの面白さといえばこの曲を忘れてはいけないだろう。ちなみにこの曲はドリフターズのカバーで有名な「いい湯だな」や「京都 大原 三千院」の歌詞で有名な「女ひとり」なども収録されているアルバム「にほんのうた」シリーズの中の一曲でもある。

●「WE LOVE ZAMA!」/ダーク・ダックス

 デューク・エイセスと並ぶ日本を代表する男声コーラスグループ四天王の一つダーク・ダックスが唄う座間市市制施行30周年記念市民の歌「WE LOVE ZAMA!」。気がつくとサビの「(LET'S JOIN US) WE LOVE ZAMA! YES, WE LOVE ZAMA!」の部分を口ずさんでいる自分がいたりするそんな曲。ちなみに原曲は座間市のサイトでフルコーラス聴けるようになっている。

●「たこでーす。」/たこ八郎

 たこ八郎は座間市がある神奈川県の海水浴場で亡くなる2年ほど前にこの曲を出している。久石譲作曲によるテクノ歌謡である。

●「老女優は去りゆく」/美輪明宏

 久石譲が音楽を担当したアニメ映画『もののけ姫』で怪演を見せた美輪明宏の真骨頂がこの曲にある。

●TOKYO野蛮人/ラ・ムー

 疲れたので真のロッカーによるパンクな歌を紹介して終りにする。

おまけ

●ドロボーはこまっちゃう!/伊達靖

 とりあえず音楽が流れるのでパソコンの音量に注意して掛川警察署の公式サイトを見るといい。掛川警察署のオリジナルソングらしく、唄っている伊達靖という人は掛川市内で病院を開いている医師でボランティアで唄っているらしい。掛川警察署にいけばこの曲を含めた防犯ソングアルバムCDを貰える模様。ちなみにこの防犯ソングにはポルトガル語版もある(「お知らせ・お願い」からリンクを辿っていくと見つかる)。

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