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2011-12-31

この読み切り漫画がスゴイ! 2012

 近代麻雀漫画生活のいのけんさんによる「このマンガがひどい!2012」、そのベスト4を見て居ても立ってもいられずこんな企画を立ち上げてしまいました。

 その漫画雑誌の主力タイトルであるはずの連載漫画ですら単行本が出なかったり途中で単行本の刊行が止まったりするのが日本の漫画業界。そんな中で雑誌掲載されただけで単行本未収録の読み切り漫画の多くが自称漫画読みの方たちにも拾ってもらえず埋もれていくのはある意味当然のことです。そんな漫画業界の闇に人知れず葬られた読み切り漫画に光を当てようというのがこの企画、「この読み切り漫画がスゴイ!」です!

 そんなわけで早速第二位の発表です!

第二位:「NAMIE~福島県浪江町・愛しき町~」(橋本孤蔵)

掲載誌:『別冊漫画ゴラク』1月号 No.641 

早川光先生と組んで日本漫画史に残る傑作『渡職人残侠伝 慶太の味』をこの世に送り出し、Wikipediaでは薄い内容の記事の中で「浦沢直樹のアシスタントを経験しているため画力はそこそこあるものの、人物の耳の位置がやや不安定」というよくわからないダメ出しをくらっている橋本孤蔵先生。Wikipediaでは栃木県出身となっていますが、実は小学生の時に福島県浪江町に引越しをして高校卒業までそこで暮らしていたのでした。そんな橋本先生が第二の故郷とも言うべき浪江町への思いを綴った読み切りがこの作品です。

 橋本先生は現在東京にお住まいで、3月11日の地震も東京の仕事場で被災されました。しかしその後次第に明らかになる福島原発の事故でめちゃくちゃになった浪江町の状況を見て、橋本先生は気付くと少年時代を過ごした想い出の故郷に向けて車を走らせていました。
 そこに待ち構えていたのは生々しい地震と津波の爪痕、そして目と鼻の先にある故郷浪江町に行くことのできないという現実。
 行きたいのに警備員に制止される。帰りたいのに帰れない故郷。
 その原因は浪江町での生活の中に当たり前のようにあった原発が出してしまった放射性物質。それがそこに当たり前にあった住人の日常を奪い、故郷を奪ってしまった。
 それでもこの読み切りの中で橋本先生は特定の誰かや何かを悪として断罪したり、悪し様に罵ることをしませんでした。
 その代わり橋本先生は立入禁止の看板と柵の前で「いつの日か…帰りたい!!」と望郷の思いを強くし、そして「がんばれ…がんばれ浪江町――」と静かなエールを送るのでした。

 このようにこの読み切りは「慶太の味」とは正反対のとても静かで抑えた感じの作品なんですが、それがまた福島原発事故が浪江町にもたらしたものの大きさを印象づける結果になっています。
 そして、最後の「がんばれ」という言葉。これは3月11日以降様々な作品で紡がれた半ば義務的で判子を押したような「がんばれ(がんばろう)」というものとは違う真摯な言葉であり、橋本先生の一縷の望みを託した故郷への想いが滲みでてる気がします。

 ネット上では今回の原発事故に関して様々な議論や言及がありますが、それに興じる多くの人たちが、あの20km圏内を故郷と呼ぶ人達がいることを、あの場所へ帰りたいと思う人たちがいることを忘れがちです。この作品にはそんな人達の存在を静かに力強く訴え思い起こさせる力があります。
 原発問題に興じる人たちに是非一読して欲しい作品です。

第一位:「任侠まんが道」(山口正人)

掲載誌:『別冊漫画ゴラク』1月号 No.641

※ぶっちゃけ第二位の感想を書きたかっただけなのでおまけです。

 雨の中、オヤジをかばい腹を刺されて眠りにつく漢、龍一……
 一ヶ月後、そこには元気に原稿に向かう龍一の姿が!

 というわけで任侠劇画の第一人者、山口正人先生久しぶりの読み切りはなんと漫画家を目指す極道の物語! 打倒『バクマン』!

 って、ちょっと待って。山口正人作品の主人公の顔についてはあえて触れないのがファンのたしなみですが、他のキャラもどこかで見たような……

 この「2コマ目の人物トーン54番な」と龍一に頼まれたヨネこと米八はなんだか要らんこと言って若頭に村主でたたっ切られそうになるような顔しているし、ベタを頼まれた三太郎はなんだかカポエラの達人でスダレマンのような顔しているし、龍一の原稿を見ずに突き返した編集者は伊豆半島沖の孤島の刑務所から竜巻に乗って脱獄してワニを喰らうような顔しているし……

 えーっと、Twitterで指摘がありましたがこの読み切り、任侠沈没キャラのスターシステム作品でした。

 ちなみに龍一さんは制作環境をデジタルに移行しようと、月賦で中古のパソコンを買ったつもりが実はワープロでしたなんていう相も変わらずのボケっぷりを見せてくれていますよ!

 それはそうとイリュージョンな編集者が「土下座ヤメていただけませんか。ウチらの世界では笑い話のネタにしかならないんです」なんて言ってるけど、掲載誌がゴラクってことを考えると意味深というか大丈夫かしらなんて思ったり。

 個人的にはこのまま連載に持って行っても面白いかなって思うんですが、一番の問題はすでにヤクザの組長が少女漫画家を目指す漫画があったりすることなんですよねえ。

 という訳で落ちもないまま終了。

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