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2011-12-31

これからの「百合」の話をしよう (加筆修正版)

※この記事は『コミック百合姫』(一迅社)リニューアル前にちょろっと書いて放置していたエントリーが元。なので記事タイトルが『コミック百合姫』2011年1月号掲載の百合姫編集長のコラム(P.506~507)と同名なのはただの偶然。偶然だってば。

 

 一年前、『コミック百合姫』のリニューアルを切っ掛けに「百合」というジャンルが大きく動いていく予感がしてなんとなく一言書いておこうと思い、過程抜きに「これからの百合に必要なのは多様性だ」という結論だけを書いてあったこの記事。実際に一年経ってみても、その結論は変わらない、というよりも益々「多様性」の重要性が増してきたように思います。 

 なぜ「これからの百合に必要なのは多様性」なのか。それは単純に「百合」というジャンルが多様性を内包し、それによって成り立っているジャンルであるからです。

 現状、「百合」という言葉が指し示す範囲は広く、私がTwitterで「百合はBL+ニアホモ+ゲイ文学のミクスチャーのようなもの」という例えを使ったように、複数要素が不可分に近い形で結合した状態にあります。現実の同性愛へ寄ったものから女の子が二人いれば後は妄想で補うというものまで、人によって百合とする範囲が違うのです。
 それは「百合オタ」(あるいは「百合作品の生産者と消費者」に置き換えてもいいかもしれません)が多種多様な性別・セクシャリティを持つ人達で構成されているというところからくるものかもしれませんし、マイナージャンル故に少しでも「百合的なもの」であれば貪欲に取り込んでいった結果なのかもしれません。
 理由はともあれ、ジャンルとしての範囲が広いということはより多くの人が自分の気にいるものを見つけやすいということあり、さらに言えば継続して百合の道を歩む可能性が高くなるということでもあります。『マリア様がみてる』(今野緒雪/集英社)以降に百合ジャンルが漸次拡大できた理由もここにあると思います。

 もちろんここで終わる話ならことさら「多様性が大事」と言う必要はありません。しかし今百合が内包している多様性というものは結果的にそうなっているだけのものであり、百合オタの多くは多様性を認識すらしてないように思えます。
 というのもしばしば百合オタの中では「百合の定義議論」が起こりますし、「○○は百合じゃない」というヒット作品への言及も頻繁に目にするからです。定義する、という行動はあるものの性質を決定づけ、そこからはみ出したものを切り捨てる行為です。「百合じゃない」という否定もその切り捨て行為の延長線上にあります。そしてどちらも他者の持つ百合観の否定であり、多様性の否定へとつながるものなのです。

 その象徴的な例が『ゆるゆり』(なもり/一迅社)のTVアニメ化ではないでしょうか。
 百合ジャンルにおけるこの一年の間で最も大きな出来事である『ゆるゆり』のアニメ化は唯一の百合漫画専門雑誌『コミック百合姫』からの初のアニメ化であり、自覚的な百合ジャンルからの初のヒット作品であるという意味においても、百合ジャンルにおけるエポックメイキングな出来事だと思います。
 反面、私の観測範囲においては、既存の百合オタの反応といえば斜に構えた態度か無反応がほとんど(もちろん楽しんでいる人もきちんといますが)。中には「『ゆるゆり』は百合じゃない」と言ったり、アニメからファンになった人たちをあからさまに見下すような態度をとったりして作品や新規ファンを否定する人たちも見かけました。
 もちろん古参オタが新規オタを見下し足切りをするのはどのジャンルにもありがちな傾向ですし、実際原作『ゆるゆり』オタにもアニメからの流入者を嫌う人たちはいます。しかし度が過ぎればコミュニティの閉塞感とジャンルの停滞をもたらすのは先人たちの歩んできた道を見れば明らかです。
 百合ジャンルは今はまだそこまで深刻な事態にはなっていませんが、この一年の間に表出してきた百合オタの様々な言動を見てると遅かれ早かれ閉塞と停滞がもたらされることは間違いないと思えます。

 だからこそ、だからこそです。今百合に必要なのは多様性なのです。
 人それぞれに百合観があり、人それぞれに好きな百合がある、作品がある。当然その百合観から外れたものも存在するし、好みではない(どぎつく言えば嫌いな)百合もある。どちらも百合として存在を認め許容するということこそが百合における多様性の尊重であり、ジャンルのシュリンクを避ける唯一の方法なのです。
 もちろん後者を好きになる必要なんてありません。ただそれが存在することを許容し、間違ってもdisって糾弾し叩き潰して排除するなんてことをしなければいいだけです。ね、簡単でしょう?

 と、ここまでだらだら書いていたら何を言いたいかよくわからなくなってきてしまったのでざっくばらんに書くと、他人が好きな百合は貴方が好きな百合程ではないにせよ、尊重しましょうよ。貴方の好きな百合は誰かの嫌いな百合であり、貴方の嫌いな百合は誰かの好きな百合でもあるんですから。互いが互いの趣味嗜好を尊重できないのならあとは戦争しかないし、戦争のあとに残るのはただの荒野なんですから。子供じゃないんだからそれくらい分るでしょ? 互いにを尊重し合えば、互いにとって居心地の良い場所になるし、居心地の良い場所には人は集まってくるもんです。人が集まれば自然とジャンルは大きくなるし、大きくなればそれにともなって色々作品が出たりして貴方の好みに合う作品も自然と多くなるもんですよ。ね?

 はい、というわけで言いたいことを言い切ったので、あとは別方面の多様性の話をちょろっとしておきます。

 一つは「作品の多様性」です。

 百合作品というと恋愛作品、あるいは少女小説や少女漫画などの少女向け作品というのが定番ではあります。
 しかし百合が「女性同士の恋愛関係(及び人間関係)」とするならば、百合作品がその二つにとどまる必要というのはないのです。
 SF、ミステリー、スポーツ……その他様々なジャンルの作品において恋愛関係というの大なり小なりエッセンスとして存在しますし、人間関係が描かれない作品の方が珍しいでしょう。つまり主題が別にあってもそこを百合にしてしまえば立派な百合作品となりうるわけです(良い例が『咲-Saki-』(小林立/スクエア・エニックス)でしょう)。
 別に主題があれば百合専門誌以外でも企画も通しやすいし、百合オタ以外の客も見込めますしね。もちろん接点のなかった分野の人がそこで百合に触れて百合の道に足を踏み入れる可能性だってあります。
 そういう意味において様々なジャンルにおける百合作品の開拓というのは百合ジャンルにとってこれから必要になることだと思います。

 そしてもう一つは「媒体の多様性」です。

 ここで言う媒体というのは、一つは『コミック百合姫』、『つぼみ』(芳文社)、『ひらり、』(新書館)のような百合作品を発表する場のことであり、一つは漫画、アニメ、ライトノベル、ゲームなどの作品形態のことです。
 前者は様々な形で増え続ける百合作家の活躍の場を与えるという意味と前述のように多様的な読者のニーズに細かく答えるという意味があります。後者は現状漫画やアニメに偏っている百合作品をライトノベル・文芸方面やゲーム方面にも増やし、新たな百合作家や表現方法の違いによる新たな百合作品の登場を期待するという意味があります。

 この二つ(特に後者)はジャンルの大きさのバロメーターという意味合いも持っていて、この多様性が確保されるということは百合ジャンルが本当に拡大したという証でもありますから百合ジャンルにとって必要、というよりも必然的なものになると思います。

 以上、まとめるのが苦手で良い言葉も浮かばないのでこのまま投げっぱなしに書き散らかして終わりますが、最後に少し。
 この1年、百合ジャンルにとっては実りは大きいが不安も大きくなった一年でありました。百合ジャンルの拡大と共にジャンルの一部に排他的な雰囲気が漂い始め、このままではジャンルが少し窮屈で閉塞的な方向へと逝きそうな予感があります。願わくば次の一年は多くの人が純粋に百合を楽しめるような方向へとジャンルが進んでいくことを。そしてこのまま百合ジャンルが拡大してもっと多くの百合作品をもっと多くの百合オタ達と楽しめるような一年になりますように。(終)

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