応援しています!

  • TVアニメ『ゆるゆり』
    TVアニメ「ゆるゆり」スペシャルサイト
  • 白衣性恋愛症候群RE:Therapy
    工画堂スタジオ『白衣性恋愛症候群RE:Therapy (リセラピー)』

Twitter

  • Twitter
フォト

利用サービス

Facebook Flickr Goodreads Last.fm Twitter YouTube
無料ブログはココログ

« 百合語り #18: 大室家の6 | トップページ | iPhoneからのテスト »

2012-08-13

百合語り #19: 『百合☆恋 Girls Love Story』 ~その門出を祝い、蛮勇を讃える~

※SPOILER WARNING!!
内容に言及しています。

 百合というジャンルはとかく本が根付きにくい。今定期的に刊行されている百合専門雑誌・アンソロジーは『コミック百合姫』、『つぼみ』、『ひらり、』の三誌しかない。それもベテランの百合兵士と他の戦場で名を上げた傭兵と実践で鍛え上げる事を前提に見込みのある新兵を逐一投入して何とか成り立っている状態である。この三誌以外にもいくつかの百合アンソロジーは出たものの打ち上げ花火のようにぱっと咲いては消えていった。

 そんな中で女性向けアンソロジーと男性向け成人漫画&アンソロジーを主に出版するオークスが昨年から成人向け百合漫画アンソロジーシリーズ、通称「色百合シリーズ」の刊行を始めた。それから一年経とうとする今オークスは全年齢向け百合アンソロジー『百合☆恋 Girls Love Story』をスタートさせる。

 オークスのサイトに行くと「色百合シリーズ」は男性向け、『百合☆恋 Girls Love Story』は女性向けに分類されているが、「色百合シリーズ」的なエロスへのアプローチもあり、明確に区別されるものでは無いと思う。ただそれに加えてオークスが普段刊行しているアンソロジー的な雰囲気、そして全作品いきなり続き物&百合オタに敬遠されがちな要素を入れ込みつつきちんと百合展開をしているという蛮勇さ、といった要素もあって本全体としては「色百合シリーズ」とは違う、さらにいえば既存の他誌とも重ならない個性を一巻目からして示すことに成功している。既存の百合漫画誌が精鋭部隊による総力戦なら、こちらは独立愚連隊によるゲリラ戦、といった趣だろうか。

 勿論個性があることと、その個性が受け入れられるかどうか、本が売れるかどうかは全くの別問題ではあるが、とかく内向きに収束しがちな百合ジャンルの中で、その殻を破り外に向かって飛び出ようとする意思を持って歩み始めた『百合☆恋 Girls Love Story』を私は素直に讃え祝したいと思う。

 そんなわけで『百合☆恋 Girls Love Story』の個性を形作る作品(すなわち私のお気に入り)を三つ紹介する。

●「ゆりにタンポポ」(やまぐちセリカ)

 新創刊百合アンソロジー誌の巻頭を飾る作品が主人公が男を殴り倒すシーンから始まるというのはある意味蛮勇である。それでも百合作品において主人公(ないしヒロイン)が男と別れて、という導入はそれ程珍しいものではない。が、同時にペアとなるヒロイン(ないし主人公)が存在し端からカップリングが成立しているのが定石だ。

 ところがこの作品の主人公にはペアになる相手が今のところ存在しない。主人公のもとに姉とその彼女が転がり込み、同性カップルのナチュラルないちゃつきにあてられることはあっても、そこで主人公が想いをはせるのは彼のことであり、喧嘩の原因になったストラップについての思い出だ。

一見百合オタ的には悪手に思える要素だが、主人公に相手が居ないということはその分自由であるとも言える。姉とその彼女の仲に割り込むことも出来れば、新キャラの登場もあり得る。さらに男のことを吹っ切れないという要素も合わせればどう話が転がっていくか、色々と先の見えない展開になりそうだ。この辺が失恋にしろ恋の成就にしろ予定調和的な部分が多い既存の百合作品とはひと味違うこの作品の色である。

 この作品は一年ほど続く連載(作者のブログ参照)だそうで、その間にどう展開していくのか、色々と期待しながら、次を楽しみに待ちたい。

●「ハッピーエンド」(スケコロ)

 おっとりぽわぽわの姉とそんな姉の面倒を見る元気でボーイッシュな妹という仲の良すぎる依存的な小学生姉妹の関係がふとしたことを切っ掛けに変化していく、その姉妹の心の機微の描写がとてもすてきな作品だ。

 姉が妹に依存しているように見えて、実は駄目な姉の面倒を見るという役割をこなすことで妹が姉に依存していた。姉が自分から自立しようとして初めてそのことに気付いた妹の心の内。さらにその切っ掛けを作った男子と姉のキスシーンを見てしまった事により妹は暴走する。そこまでの流れが思春期にも達していない子供たちの恋にも満たない物語として本当に素晴らしい。ましてや百合である。

 男子を含めた三角関係、というのは百合オタ的には好まれないものだろうが、そこはこの作品のタイトルを信じて子供たちの物語を楽しめば良い。

●「そして彼女は歯医者へ行くの」(竹ノ内ひとみ)

 物語的には行った歯医者の女医に一目惚れ、というオーソドックスなもの。しかしゴキブリの交尾と歯のレントゲン写真に二ページ近く割かれていたりするエキセントリックな描写と、最後の方にある抜歯と唇の手入れのシーンからにじみ出てくるエロティックさがこの作品をユニークなものにしている。このユニークさを保ちつつ、どう話が展開していくのか、次が非常に楽しみだ。

 なお、この本は複数の携帯漫画配信サービスでの配信も予定されているようで、そちらでは本にも載っていない作品も公開される予定があるとのこと。

« 百合語り #18: 大室家の6 | トップページ | iPhoneからのテスト »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

百合」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/554887/55396010

この記事へのトラックバック一覧です: 百合語り #19: 『百合☆恋 Girls Love Story』 ~その門出を祝い、蛮勇を讃える~:

« 百合語り #18: 大室家の6 | トップページ | iPhoneからのテスト »

2015年6月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

最近のトラックバック

アフィリエイト

いらっしゃ~い