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アニメ・コミック

2015-06-10

アメコミ語り #45: 『有害都市』第7話の何が問題だったのか

 戦が終ったあとにのこのこと戦場に現われて落ちている死体の首を掲げて勝どきをあげるマン、ここに参上!!!

 丁度艦これアニメネタバレ回避期間に突入するのとゲームの方も今週始まるイベントのための備蓄モードに突入してるのととうらぶも地味なレベル上げフェーズに突入している所に丁度良い事件が勃発してたのでそれを肴に1年ぶりのブログ更新。

 みたいな書き出しから分かるように数か月前に書きかけたあげく艦これ冬イベに突入して放置したまますっかり忘れていたこの記事を「シークレット・ウォーズちょー楽しい! この楽しさを記録しなきゃ!」と思って久しぶりに日記にログインしたら見つけてしまったので折角だから艦これ春イベもとっくに終った今頃になって更新してみるぜ! 春イベで来た高波ちゃん凄く可愛いし。

 取りあえずの概要はこの辺のリンク先で把握してください。

 で、まあこの先タイトル通りに『有害都市』第7話の何が問題だったかという話を書いていたのですが、私自身元の漫画がどんな話だったのかもうすっかり忘れているのもあるのでばっさりカット。

 替わりに私がこの手の問題でアメコミ、特にコミックス・コードを引き合いに出してあれこれ言う輩が嫌いな理由を簡単に書いておきます。

 いや本当に簡単な理由なんですよ。自分達は漫画への無理解と偏見によって規制がもたらされると嘆きながら反対運動をする癖に、その反対運動の道具としてコミックス・コードを持ち出し、アメリカのコミックス文化を日本の漫画文化より劣ったものとして、規制によってアメコミみたいになって良いのかとみたいなことを言う。

 確かに今のアメリカのコミックス文化はコミックス・コードもの影響があって形作られたものです。コミックス・コードがなければ違う形に発展していたことも確かでしょう。でも私が好きなアメコミはコミックス・コードが制定されてから半世紀以上の歴史を積み重ねて発展した上で今ここにあるものなのです。それは日本の漫画文化とはまったく違う姿形をしていますが、同じようにユニークな文化であり、どちらかが優れてるとか劣ってるといったものではないはずです。

 でも表現規制反対運動にアメコミを持ち出す人たちにはそう言う観点が欠けているようにしか見えない。だって他国の漫画文化を自分達の好きな漫画文化を守るための脅し文句として使用してるんですから。他国の文化への敬意の無さ、他者に自分が好きな物へのリスペクトは求める癖に自分が興味ないものにはとことん無頓着に扱うその態度が大嫌いなんです。

 別にアメコミを好きになれとか、読めとかも言いませんけど、自分達の主義主張に利用するなら最低限の下調べと対象への敬意は必要でしょう? そういう礼儀すらない人間が説く正義とか正しさとか誰が信用すると思ってるんですか。

 ここ数日また別の方面でアメコミが政治的な主張に利用されてるのを見掛けて、ちょっとうんざりしたので書きかけの日記を適当に書き換えてみました。まあ一言にまとめるならこういうことですよ。

 あなたの政治的主張にために私の好きな物を利用しないでください。

 というかやっぱりネット上で政治的な主張を繰り返す人たちは決定的に足りてないんだなあと言わざるをえない。何が足りてないかって?

IT'S LOVE.
(これが言いたかっただけ)

2014-02-11

アメコミ語り #44: 「マーベル・グローバル・コミック」2014年2月4日追加タイトル

日付はアプリの記載日に基づく。

●アストニッシング・ソー 全5巻

 2011年に発売された全五話のミニ・シリーズ。当時のソー個人誌とは独立した話になっているのでこれだけで楽しめる。映画『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』を見たあと読むとちょっと面白いかもしれない。

●アベンジャーズ (1998) 1巻~11巻

 タイトルにあるように1998年にスタートしたアベンジャーズのメイン誌。「オンスロート」事件(プロフェッサーXの暗黒面とマグニートーの暗黒面が融合して誕生した超強力なミュータントとの戦い)で命を落とし別世界へと転生し ていたアベンジャーズの面々(その間の活躍を描いたのが「ヒーローズ・リボーン」)が通常世界へと帰還した所から始るシリーズで、今回は創刊号から十一話までリリース。オーソドックスな従来のアベンジャーズの物語を読みたいのならこちらを読む方が良いと思う。

 ライターを務めるのは『マーベルズ』(最近小学館集英社プロダクションより復刊)のカート・ビュシーク、アート担当はレジェンド・アーティストのジョージ・ペレス。このシリーズの38話から40話にかけてのエピソードは邦訳本『アベンジャーズ:ハルク・ウェーブ!』(ヴィレッジブックス刊)に収録されている。

 なお前述の『オンスロート』と『ヒーローズ・リボーン』は小学館プロダクション(現:小学館集英社プロダクション)より翻訳本(全訳ではない)が発売されたことがある。読まなくても十分このシリーズは楽しめるが、それ以前の流れを把握したいという人は探してみてはどうだろうか。


このシリーズの28~30話が収録されている。


このシリーズのライター、カート・ビュシークの代表作の一つ。


今シリーズへと繋がる発端の事件。


前シリーズ。

●アメイジング・スパイダーマン 642巻~647巻

 スパイダーマンのメイン個人誌、その中のゴブリンの子を巡るエピソード「オリジン・オブ・スピーシーズ」が一挙リリース。

 このエピソードは「ブランニュー・デイ」という2年ほど続けられた大きなエピソードのグランド・フィナーレに当たる部分であり、発端の「ワン・モア・デイ」を含めてここに至るまでの幾つかのエピソードが小学館集英社プロダクションより翻訳本で発売されているので先にそちらを読むことをオススメしたい。


左上から時系列順に並んでいる。

●アンキャニー・X-メン: ファースト・クラス 1巻~7巻

 過去の冒険譚を描く「ファースト・クラス」シリーズのうちウルヴァリンなどが参加した新生Xメンを主人公にしたシリーズの全八話の内七話までがリリース。

 映画『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』の原題にもなったシリーズの原点X-Men: First Classの初期部分が小学館集英社プロダクションより翻訳されているのでファースト・ファイブ(サイクロプス、マーベル・ガール、ビースト、アイスマン、エンジェル)の活躍が読みたいという人はそちらも手に取ってみると良いだろう。

●インビンシブル・アイアンマン (2008) 1巻~7巻

 当時公開された映画に合わせてリスタートしたアイアンマンの個人誌メインシリーズのうち創刊号から七話までがリリース。

 時系列的には『シビル・ウォー』(後述)の後、『シークレット・インベーション』(後述)の前になり、ヴィレッジブックスから発売されているアイアンマン2作品は前シリーズのエピソードになる。

 

●インフィニティ・ガントレット 全6巻

 究極の力を持つインフィニティ・ガントレットを手にしたサノスとヒーローたちとの死闘を描いた1991年のクロスオーバーイベントのメインシリーズを一挙リリース。

 カプコンのゲーム『マーヴル・スーパーヒーローズ』の原作であり、かつて小学館プロダクション(現:小学館集英社プロダクション)より発売されていた邦訳アメコミ誌『マーヴルX』の1巻から6巻において一話ずつ翻訳されたこともある。

 映画『アベンジャーズ』や『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』にあるおまけネタの意味が分からないという人は読んで損はない。

 なお続編として『インフィニティ・ウォー』と『インフィニティ・クルセイド』があり、英語ではあるけれども単行本化もされているので気になる人はチェックしてみると良いだろう。


※英語版なので注意

●シークレット・アベンジャーズ 1巻~6巻

 2010年に創刊されたアベンジャーズ隠密部隊シリーズのうち創刊号から6話までをリリース。時系列的には『シークレット・インベーション』(後述)の後、『フィアーズ・イットセルフ』(後述)の前に当たる。

 とある理由からキャプテン・アメリカの座から退いているスティーブ・ロジャースによって創設されたチームで今回リリースされたアベンジャーズ関係タイトルの中でもかなり異質な雰囲気の作品。

●シークレット・インベーション 全8巻

 2008年のクロスオーバーイベントのメインシリーズを一挙リリース。変身能力のある宇宙人スクラルの地球侵略の話で、『ニューアベンジャーズ』(後述)を中心にかなり前より伏線が張られていた。

 なおヴィレッジブックスより折り込み解説が付いた紙版が発売されており、またこのイベントとタイインした「ニューアベンジャーズ」のエピソードの翻訳本も発売される予定なので初心者の人やより詳しく知りたいという人はそちらを買う方が良いかもしれない。

●シビル・ウォー 全7巻

 ある悲劇によって生まれた超人登録法を巡るヒーローたちの内紛を描いた2006年のクロスオーバーイベントのメインシリーズが一挙リリース。折り込み解説付の紙版がヴィレッジブックスより発売されているので初心者の人やより深く知りたいという人はそちらを買った方が良いかもしれない。

 『ニューアベンジャーズ』(後述)のタイイン・エピソードや実質的なエピローグである『キャプテン・アメリカ』のエピソードもヴィレッジブックスより発売されている。

●ニューアベンジャーズ (2004) 1巻~6巻

 2004年に創刊された従来のアベンジャーズとは大幅にメンバーが替わった新生アベンジャーズのメイン誌。今回リリースされた話は折り込み解説付の紙媒体でヴィレッジブックスより『ニューアベンジャーズ: ブレイクアウト』というタイトルで発売されているので、初心者の人やより深く知りたいという人はそちらを購入した方が良いかもしれない。


今回リリースされた範囲の紙版。

 なおヴィレッジブックスではこのシリーズのかなり先まで紙媒体で出しているので続きが早く読みたいという人はそちらでどうぞ。

●ハウス・オブ・M 全8巻

 ミュータントが支配する世界へと改変された地球を舞台にしたXメンとアベンジャーズのクロスオーバー・イベントのメインシリーズ(2005年発売)が一挙リリース。この話の最後に今なお影響を色濃く残すミュータントにとっての最悪な出来事が起ることになる。

 『ザ・パルス』(当時発売されていたジェシカ・ジョーンズとデイリー・ビューグル特集担当部門記者を主人公とした作品)の特別編が当時収録された邦訳単行本『X-MEN/アベンジャーズ ハウス・オブ・M』がヴィレッジブックスより発売されている。

 また実質的なエピローグを収録した『ニューアベンジャーズ: コレクティブ』とその後のXメンのエピソードを収録した『X-MEN: デッドリー・ジェネシス』が共にヴィレッジブックスより発売されているので気になる人はチェックしてみると良いだろう。

●ハルク (2008) 1巻~6巻

 突如現われた謎のレッド・ハルクを中心にストーリーが進む2008年にスタートしたハルクの個人誌のうち創刊号から6話までをリリース。レッド・ハルクの正体はかなり先になるまで明かされないので気長に読むと良いだろう。

 当時のハルクについてより深く知りたい人は創刊直前に起ったイベント『ワールド・ウォー・ハルク』がヴィレッジブックスより翻訳販売されているので読んでみると良いだろう。

●フィアーズ・イットセルフ 全7巻

 2011年に発売されたクロスオーバーイベントのメインシリーズが一挙リリース。原題がFear Itselfなのになぜか邦題は複数形になっている不思議(ちなみにタイトルはフランクリン・ルーズベルト大統領の就任演説の一節からとられている)。

 レッド・スカルの娘シンが恐怖の神サーペントを復活させその宝具によって強大な力を得たヴィラン(一部ヒーロー)軍団とヒーローたちが激突するという大型クロスオーバーならではの話になっている。

 ただ紙版でもMGCでも現在翻訳されている範囲からは少し先の話になっているのでこれだけ読むとちょっと分からないところが多く出てくる可能性がある。とりあえずはこれを読む前に『シビル・ウォー』、『シークレット・インベーション』、『シージ』(現在下記英語版単行本のみ)あたりを読んでおくと良いかもしれない。

●マーベル・ゾンビーズ 全5巻

 ヴィレッジブックスより邦訳本が発売されているし説明不要だとは思うけれども、簡単に説明するとマーベルキャラがゾンビになる話。

 2までがヴィレッジブックスより邦訳単行本化されているほか、小学館集英社プロダクションより発売されている『デッドプール: マーク・ウィズ・ア・マウス』も密接に関係している話なので今作が気に入った方は読んでみると良いだろう。

●マイティー・アベンジャーズ 1巻~6巻

 『シビル・ウォー』後に結成されたもう一つのアベンジャーズ描いた第二のアベンジャーズ誌(2007年創刊)の内創刊号か6話までをリリース。政府公認のアベンジャーズということで同時期のニューアベンジャーズ誌と読み比べてみるのも面白いかもしれない。

 ヴィレッジブックスより『マイティ・アベンジャーズ: ウルトロン・イニシアティブ』のタイトルで邦訳単行本化されている部分である(続きも単行本化されている)。

2014-02-08

アメコミ語り #43: マーベル・コミックスが邦訳アメコミ配信サービス「マーベル・グローバル・コミック」をスタート

 2014年2月6日深夜に突如発表されて日本のアメコミクラスタを狂喜乱舞させたマーベル・コミックスの多言語コミック配信アプリ「マーベル・グローバル・コミック(以下MGC)」

 これはどうやら2012年9月の発表されたマーベルとアメリカのデジタルコミックス配信会社iVerseのコミックス多言語配信における提携が1年半を経て形になったものっぽい(この辺参照)。アメコミのデジタル配信業界のトップを独走するcomiXologyに影に隠れがちなiVerseだけれども図書館向けにデジタルコミックアプリを提供したり、今回のように多言語展開したりと(他にはアーチーのスペイン語版なども配信している)、地味に面白いことをやっている所でもある。

 さて、肝心のMGCアプリだけれども、基本はiVerseの提供するコミックス配信アプリComicsPlusと同じインタフェースなので、comiXologyアプリを使いなれている人には最初の内はちょっと違和感があって戸惑うかもしれない(基本は殆ど変らないので少し経てば慣れるはず)。もちろん初心者の人にも分かりやすく操作しやすいインターフェースになっている。

 今の所コミックスは一話ずつの配信で一話200円のお値段。対応言語は「日本語」の他に「フランス語」「ドイツ語」「イタリア語」「スペイン語」「ロシア語」「ポルトガル語」「韓国語」「中国語(簡体字)」「中国語(繁体字)」「ヘブライ語」「ヒンディー語」。設定でいつでもどの言語へ変更できるが、今の所言語ごとにコミックスは買い直さなければならない。

 気になる翻訳の質は、一部のあらすじが機械翻訳にかけてそのままな感じのものがあったり、一部誤訳があったり、全般的に硬い感じの文章だったりするものの、概ねかなりレベルが高くて読めるものになっている。

今回のサービス立ち上げと同時に配信されたタイトルを簡単に分類すると

オンゴーイング・シリーズ(連載シリーズ)

  • アベンジャーズ(1998)
  • アメイジング・スパイダーマン
  • アンキャニー・X-メン:ファースト・クラス
  • インビンソブル・アイアンマン(2008)
  • シークレット・アベンジャーズ
  • ニュー・アベンジャーズ(2004)
  • ハルク(2008)
  • マイティー・アベンジャーズ

ミニ・シリーズ(話数限定シリーズ)

  • アストニッシング・ソー
  • インフィニティ・ガントレット
  • シークレット・インベーション
  • シビル・ウォー
  • ハウス・オブ・M
  • フィアーズ・イットセルフ
  • マーベル・ゾンビーズ

となる。映画に関連したタイトルを中心に話題のビッグイベントやキャラのタイトルを揃えていてなかなか良いラインナップのように思う。iVerseの人のツイートによれば毎週新刊が追加される予定だそうで、この先どんなタイトルが追加されるのか気になるところ。とりあえず個人的には買う買わないは別として毎週追加されるタイトルの紹介くらいはやってみたい。

 サービスとしてはかなりレベルの高い良いものではあるMGC、アメコミクラスタの一部ではこれにより紙媒体での翻訳本に影響があるのではと心配されている。現在マーベルの翻訳本を出しているのは小学館集英社プロダクションとヴィレッジブックスの二社で、今回配信開始されたタイトルの中にも既に両社で出版されているものが幾つかあり、今後出版予定のタイトルがMGCで先に翻訳されてしまう可能性は十分にある。その辺の影響がどう出るか。

 アメリカ本国ではデジタル配信コミックスと紙媒体のコミックスは紙と配信が同時でありながら共存しているどころか相乗効果で業界全体が盛り上がっていたりする。デジタルでも紙でも値段は同じだったり(多くのコミックショップでは事前予約による割引があるので実質紙の方が安いとも言える)、マーベルだと一部の紙媒体のコミックスに同じ号のデジタル版の無料ダウンロードコードが付いてきたり(DCコッミクスにも一部タイトルに紙媒体とデジタル版ダウンロードコードが付いて値段は紙媒体のみより1ドルほどいコンボパックがある)するというアメリカならではの事情もあったりするので難しいところもあるとは思うけれども、日本も同じように共存繁栄できれば皆が幸せになれるので出版社の人達は頑張って欲しい。

 というわけで次回立ち上げと共に配信されたタイトルの紹介します。

2013-06-07

百合語り #50: 百合元年から10年目を迎えて~あれから10年も、この先10年も~

 今年2013年は百合元年から丁度10年目にあたる、みたいな感じでこの10年間の百合作品を羅列しながらあれこれ語ろうかと思ったけど書いていてめんどくさくなったのとつまんないので止め。その替わりにメモ代わり的な物を置いておく。

 ちなみに百合元年というのは2003年に発売された『百合天国~Girls Heaven~』Vol.1(大都社)の編集後書きにおいて宣言されたもので、同年に『コミック百合姫』(一迅社)の前身である『百合姉妹』(マガジン・マガジン)が創刊されているように当時としては百合作品の発売が集中したことから出てきた言葉。

 実際、この2003年を前後して漫画分野においては継続的に百合作品が供給されるようになり、アニメ分野でも毎期とまではいかないけれど通して見れば毎年何かしら百合的に盛り上がる作品が供給されようになった訳で、この10年間漫画とアニメの両輪で発展してきた百合ジャンルの最初の一歩が踏み出された年と言えると思う。

 もちろん2003年に突発的に百合ジャンルが立ち上がったわけではなく、『美少女戦士セーラームーン』シリーズや『マリア様がみてる』(今野緒雪/コバルト文庫/集英社)のヒットといった下地があり、2003年以前にも百合作品はいくつもあったわけで、2003年の百合元年は商業的にジャンルとして立ち上がり始めた年というのが正確だろう。

 個人的な百合ジャンル史観を開陳しておくと、

  • セラムン以前
  • セラムン~マリみて以前
  • マリみて~百合元年
  • 百合元年以降

といった感じになるだろうか。

 この中で一番重要なのはやはり「マリみて」だろう。『百合姉妹』が「マリみて」ブームに便乗した形で創刊されたように、「マリみて」のヒットが商業的な百合作品発売の敷居を下げたからこそ2003年の百合元年がもたらされた。そういう意味では「マリみて」は「百合ジャンル中興の祖」と言っていい。

 もっとも物事には必ず光と影、良い面と悪い面があるもので、「マリみて」ブームは私が日頃「マリみての呪い」と呼んでるような、

  • 高校生を中心とした思春期の物語
  • 精神的な繋がりを重視
  • 肉欲の排除
  • お姉様フォーマット

といった要素の偏重とある種の百合ジャンルのイメージの固定化を招いたのも事実(勿論「マリみて」という作品自体に罪はない)。この「マリみての呪い」からの脱却がこの10年間の百合ジャンルの一つの裏テーマだったと思う。それは今現在百合専門誌で展開される作品の設定や内容が多様化していること、『彩百合』(オークス)という性的な方面での専門誌も創刊されたことで、ある程度は解決出来ていると言えるだろう。時折、初心者と古参、ライトとマニアといった対立軸の中で表面化してくることはあるにしろ。

 さて、10年前と今の百合ジャンルを比べてみると、アニメ分野はあまり変らないけど力強く百合的に美味しいアニメを供給しており、漫画分野では毎月何かしらの百合作品単行本が複数出て、さらにはここ数年でゲーム分野で急速に百合作品が出るようになった、といった風に遙かに拡大しているのが分かる。一方で『つぼみ』(芳文社)の休刊やライトノベル分野での百合の枯渇といったようにまだまだネガティブな要素はある。

 そういうわけでこの先の10年間で求められる物は、百合ジャンルのさらなる安定化とライトノベル分野での百合の開発ということになるだろう。下品な感じで書けば、より百合が儲かるジャンルになれ、ということだ。まあ、そればかりは一消費者の身ではいかんともしがたいことなので、自分の出来る範囲で粛々と消費していくしかないのだけれど。

2013-04-10

アメコミ語り #42: Marvel #1 700タイトル無料ダウンロードキャンペーンで読んでおきたいタイトル100選

 なんかキャンペーン再開がアナウンスされたので、急遽適当に選んでみた。

  1. Fantastic Four (Vol.1) #1
     FFの始まりであり実質的なマーベルの始まりである記念号。
  2. Avengers (Vol.1) #1
     邦訳なんかもされていたりするけれども、アベンジャーズ結成話。
  3. Uncanny X-Men (Vol.1) #1
     こちらも過去邦訳されたことがあるXメンの第1話。
  4. Amazing Fantasy #15: Spider-Man!
     スパイダーマン初登場話とAmazing Spider-Man (Vol.1) #1を収録して、デジタルカラリングをしたりプリント号。次に紹介する昔ながらのカラリングと比べてみるのも一興。
  5. Amazing Spider-Man (Vol.1) #1
     スパイダーマン個人誌創刊号。
  6. Captain America Comics #1
     キャプテン・アメリカ初登場号。ヒトラーを殴る表紙でも有名。ゴールデン・エイジのアメコミに触れる機会。
  7. Incredible Hulk (Vol.1) #1
     ハルク初登場号。
  8. Daredevil (Vol.1) #1
     デアデビル初登場号。
  9. Spider-Man #1
     トッド・マクファーレンが手がけた伝説の創刊号。
  10. X-Men (Vol.2) #1
     ジム・リーが手掛けた伝説の創刊号。
  11. X-Force (Vol.1) #1
     ロブ・ライフェルドが手がけた伝説の創刊号。
  12. Heroes Reborn: Captain America #1
     ロブ・ライフェルドが手がけた伝説でもないけど彼らしい絵が堪能できる創刊号。
  13. Fantastic Four Annual #1
     表紙のネイモア皇子がカッコイイので。
  14. Amazing Spider-Man Annual #1
     シニスター・シックス初登場回。
  15. Astonishing X-Men Annual #1
     ノーススターのカミングアウト回Alpha Flight (Vol.1) #106を丸ごと収録。
  16. New Mutants Annual #1
     ライラ・チェニーにボンデージな服を着せられるキャノンボールは必見。
  17. A-Babies vs. X-Babies #1
     日本でも話題沸騰のグリヒル先生による可愛らしい作品。
  18. Avengers Origins: Ant-Man and the Wasp #1
     アベンジャーズ・メンバーのオリジンを描くワンショットシリーズの中でこれが一番話が面白く絵も綺麗。
  19. Young Avengers (Vol.1) #1
     日本でもカップルなことで有名なハルクリングとウィッカンが出てくるコミックがこちらになります。
  20. Avengers: The Initiative #1
     「シビル・ウォー」後に設立されたヒーロー養成機関における若手ヒーローの物語。地味に面白い。
  21. Avengers Academy #1
     Avengers: The Initiativeの後継誌。生徒も教師も問題有りな素敵な学校。
  22. Captain America: Theater of War: America the Beautiful
  23. Captain America: Theater of War: Brother In Arms
  24. Captain America: Theater of War: To Soldier On
  25. Captain America: Theater of War: Ghosts of My Country
     戦争を題材にしたキャプテン・アメリカのワンショット・シリーズよりポール・ジェンキンス担当号。キャップの話というよりもキャップを使ってライターの考えが色濃く出た話になっていて人を選ぶとは思うけれどもなかなか面白い。
  26. Black Widow (Vol.4) #1
     ナターシャとバッキーの素敵なカップルっぷりが素晴らしい。
  27. Doctor Strange: The Oath #1
     アイアンフィストの「僕とパワーマンはカップルじゃない、パートナーだ」発言が飛び出すのはこちらになります。
  28. The Immortal Iron Fist #1
  29. The Immortal Iron Fist Annual #1
     本国でも評価の高いシリーズ。
  30. The Immortal Iron Fist: Orson Randall and the Green Mist of Death #1
     第二次世界大戦中のアイアンフィストの話。
  31. The Immortal Iron Fist: The Origin of Danny Rand #1
     アイアンフィストのオリジン話の再彩色リプリント。
  32. Firestar (Vol.2) #1
     乳癌を患った直後のファイアスターの、家族や友人との関係にスポットが当てられた隠れた佳作。
  33. Moon Knight: Silent Knight #1
     ムーンナイトのクリスマス。
  34. Amazing Spider-Man: Parallel Lives #1
     スパイダーマンとMJの結婚までをダイジェストで描くと同時にドクター・オクトパスにもスポットを当てたグラフィックノベルのリプリント。
  35. Amazing Spider-Man: Hooky #1
     絵がバーニー・ライトソン。
  36. Spider-Man and the X-Men Digital Spectacular #1
     時代時代のXメンとスパイダーマンの共演が描かれるミニシリーズX-Men/Spider-Manが丸ごと収録されていてお得。
  37. Spider-Man: Back In Quack #1
     実写映画化された2大ヒーロー夢の狂宴。
  38. Ultimate Spider-Man #1
     アルティメット版スパイダーマン。
  39. Ultimate Comics Spider-Man (Vol.2) #1
     日本でも話題になった2代目アルティメット版スパイダーマン、マイルズ・モラレスくんの物語。
  40. Spider-Men #1
     そんなマイルズくんと正史世界のピーターの共演話。
  41. Wolverine (Vol.1) #1
     今度の映画の原作にもなってるっぽいクリス・クレアモント&フランク・ミラーによる日本でのウルヴァリンの物語。
  42. Logan #1
     第二次世界大戦中、日本の捕虜になったウルヴァリンの物語。
  43. X-23 Vol. 2 #1
     マヴカプでもお馴染みのウルヴァリンの女性体クローン、ローラちゃんの個人誌最新作。
  44. Cable: Blood and Metal #1
     すっごく90年代です。絶頂期のジョン・ロミータJr.の絵が素晴らしい。
  45. Cable (Vol.1) #1
     こちらも嫌になるくらい90年代のアメコミが堪能できる。
  46. X-Treme X-Men (Vol.2) #1
     次元崩壊を防ぐために多元宇宙の悪のエグゼビア10人を倒すダズラーの話。
  47. Deadpool (Vol.1) #1
     記念すべき初個人誌レギュラーシリーズ。
  48. Deadpool Team-Up #1
     日本が舞台。角界の闇にデッドプールが切り込む。
  49. Wolverine/Deadpool: The Decoy #1
     デッドプールが女装するよ。
  50. Baby's First Deadpool Book #1
     子供のための初めてのデッドプール本。
  51. Deadpool Kills the Marvel Universe #1
     デッドプール・キルロジー第1弾。マーベル・ユニバースのキャラを皆殺し。
  52. Deadpool Killustrated #1
     デッドプール・キルロジー第2弾。有名文芸作品のキャラを皆殺し。
  53. Runaways (Vol.1) #1
     親がヴィランであることを知ってしまった子供達が主人公のブライアン・K・ボーンによるかなり変ったシリーズ。
  54. S.H.I.E.L.D. (Vol.1) #1
     現在のシールドが結成する前に実は古代エジプトから綿々続く秘密組織シールドが存在していたという話。ニュートンやダヴィンチなど歴史上の人物がメインではっていて面白い。
  55. Annihilation #1
     2000年代後半のマーベル宇宙ものの再興はここから始まる。
  56. Annihilation: Conquest #1
     その続編。
  57. Annihilation: Conquest - Quasar #1
     フィラベルとムーンドラゴンの百合カップルの話。
  58. Guardians of the Galaxy (Vol.2) #1
     映画化予定あり。
  59. War of Kings #1
     インヒューマンズVSシャイア帝国の星間戦争。
  60. The Thanos Imperative #1
     サノス復活。
  61. Thanos: The Final Threat #1
     アベンジャーズVSサノス。
  62. Thanos Quest #1
     『インフィニティ・ガントレット』の前日譚。インフィニティ・ジェムを集めるサノスの話。
  63. Silver Surfer: Parable #1
     邦訳もされたスタン・リー×メビウスのシルバーサーファー物。
  64. Earth X #1
     ディストピアな未来物。
  65. Big Hero 6: Brave New Heroes
     日本のヒーローチームビッグ・ヒーロー6のミニシリーズ第2弾を丸ごと収録。
  66. Gorilla Man #1
     ゴリラ。
  67. Hit-Monkey #1
     ニホンザル
  68. Marvel Zombies: Evil Evolution #1
     ゴリラVSゾンビ。
  69. Marvel Zombies Destroy #1
     アヒルVSゾンビナチ。
  70. Marvel Zombies Halloween #1
     ゾンビが蔓延した世界で頑張るお母さん(キティ)とその息子の物語。
  71. 15-Love #1
     テニス物。
  72. The Wonderful Wizard of Oz #1
     ライマン・フランク・ボーム『オズの魔法使い』のコミカライズ。
  73. Dorothy and the Wizard In Oz #1
     ライマン・フランク・ボーム『オズと不思議な地下の国』のコミカライズ。
  74. Road To Oz #1
     ライマン・フランク・ボーム『オズへつづく道』のコミカライズ。
  75. Pride & Prejudice #1
     ジェーン・オースティン『高慢と偏見』のコミカライズ。ゾンビは出てこない。
  76. Emma #1
     ホワイトクイーンだと思った? 残念、ジェーン・オースティンの『エマ』のコミカライズでした!
  77. Punisher (Vol.8) #1
     フランケンキャッスルへの道はここから始まる。
  78. Dark Reign: The List: Punisher
     パニッシャー・バラバラ殺人事件。
  79. Punisher (Vol.9) #1
     マルコ・チェチェットの描く美しすぎるフランク・キャッスルは必見。
  80. Ultimate Comics Avengers 2 #1
     アルティメット版パニッシャーが出てくる。
  81. Marvel Universe VS. The Punisher #1
     ゾンビ的な何かになったマーベルキャラと対決。
  82. Punisher Kills the Marvel Universe
     なぜか日本でも有名なアレ。
  83. Marvel Now! Point One #1
     「マーベル・ナウ!」の幾つかのタイトルの予告編のような物。
  84. Hawkeye #1
  85. Scarlet Spider #1
  86. Venom Vol. 2 #1
  87. Gambit Vol. 5 #1
  88. Captain Marvel #1
  89. Daredevil Vol. 3 #1
  90. Wolverine and the X-Men #1
  91. Avenging Spider-Man #1
  92. Captain America Vol. 7 #1
  93. Uncanny Avengers #1
  94. Avengers (Vol.5) #1
  95. Avengers Arena #1
  96. Deadpool (Vol.4) #1
  97. FF (Vol.2) #1
  98. Superior Spider-Man #1
  99. Young Avengers (Vol.2) #1
  100. Thor: God of Thunder #1
     「マーベル・ナウ!」の現行タイトルたち。

2013-02-24

アメコミ語り #41: さらば、愛しきまんがの森!~とあるアメコミショップへの追憶

 先日Twitterを眺めていたら、こんなニュースが目に入った。

 まんがの森渋谷店は90年代後半のアメコミブームからアメコミオタとなった私にとって間違いなく聖地だったと思う(Wikipediaによれば元々全店で取り扱っていたものが渋谷店に集約されたらしいが)。

 まだ二十世紀だった頃、とある用事で上京して、その合間にまんがの森渋谷店に寄って買ったアメコミが私にとっての初のアメコミ原書だった。何を買ったかまでは覚えていないが、その時大雪だったこととホテルで紙袋の封を切る時のドキドキはまだ微かに覚えている。その後、東京で暮らすようになってまんがの森以外のアメコミショップ、下北沢のゴールデンコミックスα、新宿のトライソフト(秋葉原にも店舗があったけどアメコミ取り扱っていたかどうかは記憶が定かでは無い)、横浜は石川町のニードファイアーコミックス、早稲田のサイバーダインなどにも行くようになったが、やはり一番多く通ったのがまんがの森渋谷店だった。

 二階へと続く急な階段を何十回上り下りしたことだろうか。スタンプカードの割引特典を何回交換しただろうか。裏表紙に貼り付けられたあの剥がしにくい値札シール、その跡の残ったリーフがまだ何十冊と段ボール箱の中に眠っている。

 渋谷駅を出て、センター街に入り、HMVを過ぎた辺りで適当に右に曲がって井ノ頭通りに入り道なりに進む。それがいつものまんがの森へのコースだった。アメコミを買ったあとは、近くにあったまんだらけに寄ったり、HMVやタワーレコードで適当に試聴機聴いて未知のアーティスト発掘に勤しんだり、東急文化会館の上の方にあった三省堂コミックステーションで漫画を買ったり(まんがの森より断然品揃えが良かった)、お金と時間があれば西武の中二階にあったEARLでメイドさんが働くのを眺めながら紅茶を嗜んだりしたものだった。その他にもタワーレコードや渋谷パルコ・パート2内にあった本屋にもアメコミTPBがあったり、スポーツカード中心だったがトレーディングカード屋も幾つかあったりと、今考えてみると当時の私にとってのオタクの街とは明らかに渋谷だった。そしてその中心にあったのがまんがの森渋谷店だった。

 何年かして海外通販に手を出し(当時のアメコミ原書にはアメリカのコミックショップの広告がよく載っていて通販に手を出しやすい状況だった)、まんがの森へ行く回数が減ると渋谷へ行く回数も自然に減っていった。そして2001年頃に完全にアメコミから離れることになる。だからまんがの森渋谷店の閉店やアメコミ販売からの完全撤退のことを知ったのは2008年夏にアメコミ復帰してからのことになり何の感慨もなかったのだけれど、そのせいか逆に今回のまんがの森完全閉店のニュースの方が私にとっての一時代が終わってしまったという印象があって、凄いショックがあったりする。

 ここまで書いて思いだしたが、百合方面でもまんがの森には一つ想い出があった。事前に情報を得ていたのか売り場でなんとなく惹かれたのかどうしても思い出せないが、紺野キタの『ひみつの階段』(旧版)を購入したのが、桜瀬琥姫の『GRANDEEK』第1巻発売記念サイン会で行ったまんがの森池袋店だった。いやまあそれだけなんだけれども(そういえば日本人作家サイン会もこの時一回しか行ってない。海外作家サイン会を含めてもジム・リーとこれだけ)。

 もう一つ思い出したが、当時まんがの森の店長か何かをやっていて色んなところ(確かエロ漫画雑誌にまで)でアメコミ紹介コラムを書いていたおしぐちたかし氏は今一体何をしているのだろうか。最近のアメコミ翻訳ブームでも一切名前を見ないのでアメコミから離れてしまったのだろうか。とか書いておいて検索してみたらご本人のTwitterアカウントらしきものを発見し、アメコミ好きを名乗られていたので一安心する。いや、本人かどうか分からないんだけどさ。

 というわけでまんがの森の最後の店舗上野店の閉店を知って思い浮かんだことをつらつらと書いてみた。

2013-02-21

アメコミ語り #40: Red She-Hulk #58 (2012年/Marvel Comics)

第58話: 女の恨みは怖い

制作陣

ライター: ジェフ・パーカー
ペンシラー: カルロ・パグライヤン、ウェリントン・アウヴェス
カラリスト: ヴァル・ステイプルズ

あらすじ

 とある秘密の場所。米国陸軍航空軍レジナルド・フォーティアン少将が「エシュロン計画」のお披露目を行っていた。「エシュロン計画」とは軍の指揮下に入らない一般市民であるスーパーヒーローたちに替わる軍属超人兵士製造計画であり、ジューン・コビントン博士(現ダーク・アベンジャーズ所属スカーレットウィッチ)の遺伝子研究の成果を流用し、いくつかの犠牲を払った上でようやく成功にこぎつけたものだった。

 そんなエシュロン兵達によるお披露目の模擬戦に突如レッド・シーハルクが乱入する。三人がかりのエシュロン兵を難なく片付けた彼女は「エシュロン計画」を中止するように脅しをかけるとどこかへと去って行く。

 フォーティアン少将からの連絡を受けたキャプテン・アメリカは最近レッド・シーハルクと関わり合いのあったマシンマンを呼び出していた。彼の分析の結果、レッド・シーハルクはベティ・ロスの体に戻りヴァージニア州アーリントンにある「エシュロン計画」の研究所に潜入している確率が高いことが判明する。

 その分析の通りアーリントンの研究所に潜入していたベティは計画に参加することで性犯罪の罪を軽減してもらった被験者ヴィン・コルシコが女性研究員をレイプしようとしているところに遭遇する。研究員を助けるためハルク化したベティはコルシコのパワーに多少苦戦はするものの、最終的には首が捻れ顔が真後ろに向いてしまうほどの顔パンチを放って勝利する。

感想

 Hulk (Vol.2)からの誌名変更後の一話目。今の所ベティがなぜ「エシュロン計画」を敵視するのかいまいち分からないのでなんとなく乗れない感じ。ただ「今お前達は自身をこの星から消し去るその一歩目を踏み出したんだよ」みたいなセリフ吐いたり、ワンパンチで首コキャしたりする武闘派キャラのベティはなかなか面白い。

 フォーティアン少将は誌名変更前のこのタイトルが初出のキャラでロス将軍の信頼の厚い部下だったらしかったり、マシンマンとベティの絡みも誌名変更前のエピソードだったりと継続して読み続けている人にはまた違った風に感じるのかも知れない(私はちゃんと読んでない)。

2013-02-19

アメコミ語り #39: 『ゴーストライダー2』 (2012年/アメリカ)

※SPOILER WARNING!!!
がつんとネタバレしてるよ?

結論:ニコラスが楽しそうだと、私も楽しい。

 うん、そういう事。

 ネット上にはなにか真綿を口に含んだようなレビューばかりが上がっていて、正直凄く心配していたのだけれども、実際見てみると普通に面白かった。確かにこの作品は『アベンジャーズ』のような大作でもないし、『ダークナイト』のような語りたくさせるような作品でもない、ごく普通のアクション映画。デパートのレストランでお子様ランチを頼んでそこにあるケチャップで色を付けただけのナポリタンを本格イタリアンなパスタじゃないと批評しても意味が無いように、この作品もそんな感じで見れば普通に楽しめる。

 ストーリーは悪魔ロアークに狙われる少年ダニーをゴーストライダーことジョニー・ブレイズが悪魔の力を捨てる約束を餌にされて渋々守る羽目になるという単純明快なもの。そこに内なる悪魔の力を捨て去りたいジョニーと悪魔の子であり悪魔の力を捨て去ることすらできないダニーの交流を絡め、その交流が最後の勝利の鍵になることでアクション映画としては十分な内容になってるんじゃないだろうか。

 肝心なアクションはやはり中盤にある採石場でのGR仕様バスケット・ホイール・エクスカベーターの暴っれぷりが全てで、最終決戦(というか追跡劇)はちょっとあっさりしていてもう少し溜があっても良かったような気がする。ただ青空の下のGRは炎が凄く映えるということを確認できたのでそれはそれで良かった。

 バスケット・ホイール・エクスカベーターの他にこの映画にはもう一つの見所があって、それが冒頭の結論にもなるニコラス・ケイジの怪演。正直全編割と臭い演技なのだけれども、中盤の採石場決戦の前にダニーを誘拐したキャリガンの居場所を尋問するシーンではあまりにも過剰な演技に大爆笑できる。そのすぐあとにGRの力を抑えきれなくなって夜の街をライダーに変身しかかりながらバイクで疾走するシーンがあってそこでのニコラスの顔芸も素晴らしい。

 アメコミオタ的には物語のヒロインであるダニー少年が原作でのジョニーの弟であり、もう一人のGRであるダニエル・ケッチからとられていたり、ダニーを誘拐した彼の母親の元カレであるキャリガンが中盤以降悪魔の力を与えられて原作GRのヴィランの一人ブラックアウトみたいな姿になったり(能力は違うけど)、原作でも登場した青い炎のGRが見れたりとそこそこ見所はある、と思う。

 個人的にはザラソスが裏切りによって地獄へ落ちた正義の天使であるという話が語られたすぐ直後にジョニー自身が僧達に裏切られる展開とか、キャリガンが仲間を見捨てる時に「菓子(原語では明らかにトゥインキーと言ってる)でも食ってろ」と言い放ったらのちのちトゥインキーしか食べられない体になったり(こちらのブログの情報より)、キャリガンが能力を使う時黒白の世界になったりというよく分からない中途半端な細かさが何気に良いと思う。あとちょっとだけどカジャグーグーの「君はTOO SHY」がかかって大興奮した。

 パンフレットの光岡光子氏のコラムによるとこの映画の原作(というかネタ元)になったのはGhost Rider: Road to Damnationらしい。このコラムではこの作品のライターであるガース・エニス繋がりで同じエニス作品を原作にしているアメコミ映画『コンスタンティン』に触れられていたりして、こっちも好きな身としてはちょっと嬉しい。ちなみにこれもパンフレットで知ったことだけど、今回の作品を撮った二人組監督マーク・ネヴェルダイン&ブライアン・テイラーはこれもアメコミ映画である『ジョナ・ヘックス』に最初監督として起用されたけれどもスタジオと揉めて降板、結局脚本だけそのまま流用されたみたい。

 ふと思ったけれど、ラストでジョニーの青い炎によってダニーが蘇生するシーンはもしかしたらあれでGRの主がダニーにも宿り次回作でジョにとダニーのダブルライダー体制になるという布石なんだろうか。いや次回作なんてないんだろうけど。

2013-02-08

アメコミ語り #38: 「日本漫画などに影響を受けたフランス人が描くフランスの漫画」についての話

 この話。

仏国際漫画祭、特別賞に鳥山明さん ドラゴンボール  :日本経済新聞

日本漫画などに影響を受けたフランス人が描くフランスの漫画は「バンド・デシネ」と呼ばれ、フランスの文化・芸術の一角を占めている。

 話の大筋はベデくんのこのツイートで終わる程度のものではある。

 語義的な間違い、無知であるということ、新聞記者としてそれはどうなのかという話はこの際どうでもいい。

 問題は元記事から引用した部分にある「日本漫画などに影響を受けたフランス人が描くフランスの漫画」に潜む気持ち悪いくらいの日本漫画しか見ていない態度だ。

 一般人に限らず、オタクですらメディアなどで流される「日本の漫画やアニメが海外で大人気」という言説を無頓着に信じてしまう傾向にある(勿論国によっては自国のコミック産業の中で翻訳された日本漫画の占める割合がそれなりにあるところもあるのでそれが全くの嘘というわけではない)。そして日本漫画の内容の多様性や市場規模というのも確かに世界的に見ても特異ではある。

 それらが海外コミック文化への無関心と合わさるとどうなるかというと、「日本漫画の影響」みたいな形でしか海外コミック文化を見なかったり、あからさまに他国のコミック文化を見下して何かを語ったりすることになる。

 この日経の記事はそういった態度が語義的な間違いで現われて済んでいるだけまだ可愛いものである。一時ネットで大盛り上がりした所謂都条例改正問題でコミックス・コードを持ち出して改正されたらアメコミと同じ道を歩むと言って危機感を煽ってた人たち(今回の記者の間違いに突っ込みを入れてる人たちの中にもいた。うちの大学の助教授だかなんかをやってる人とか)のことを私は一生忘れないだろう。

 結局の所、結論としては前回と一緒で

  • 不用意な異文化比較は絶対に避ける。
  • 必要な場合でもきちんと資料にあたって双方の理解に努める。
  • 比較しても優劣はつけない。異文化を見下さない。自国文化を持ち上げない。

ということを守って他国文化を理解しようとしていれば防げた間違いである。そしてこれは記者や日経だけの問題ではなく、私たち自身の問題でもある。

2013-01-25

百合語り #49(アメコミ語り #37): I Was Kidnapped By Lesbian Pirates From Outer Space #1 (Megan Rose Gedris/2008年/Platinum Studios Comics)

あらすじ

「私は大学を出て秘書という素晴らしい仕事に就いた普通の女の子。でも全てが変ってしまったの……レズビアンな宇宙海賊に攫われてしまった時から!!!」

 ある日、仕事で遅くなったスーザンは真夜中の道を歩いて帰宅することになる。そんな彼女の後を付ける黒い影。勇気を出して振り返るそこには一人の女が立っていた。安心したのもつかの間、彼女が奇妙な銃を取り出したのを見てスーザンは気絶してしまう。

 目覚めると、先ほどの彼女と共にスーザンは銀色に光り輝く見知らぬ部屋にいた。もう一人ドクター・ウェンディと呼ばれる女の子が入ってきて注射されそうになるも、何とか部屋から脱出、逆に二人を閉じ込める。

 出口を求めて彷徨うスーザンは次々にヴェルマ、マージ、アリスという女の子たちに出会う。そしてアリスによって衝撃の事実を知らされる。

「私は海賊に攫われてしまったの!?」

「そうですわ」

「しかもあなたたちは宇宙から来たの?」

「そうですわ。そして私たちはみんなレズビアンですの」

「レズビアン!?」

 結局鎮静剤などの助けもあり、落ち着いて船長(スーザンを攫った最初の女の子)の話を聞いたスーザンは自分が彼女たちの仲間であることを知る。

 そんなスーザンに自分たちの海賊稼業の様子を見せようと彼女たちは次の星へと向かう。

感想

 元々Webコミックスとして公開されていた漫画が書籍化、その電子書籍版がiVerse社の電子書籍アプリComicsPlusで公開されていたのでそれを読んだもの。ちなみに公式サイトでは今も無料公開されている上、第3章(現在電子書籍化されているのは第1章のみ)まで話が進んでいるのでそちらを読めば事足りる。

 カラリングも含めてちょっとレトロな感じなので(流石にデフォルメはそうでもないが)、まあ割と多くの人が楽しめるんではないだろうか。

 というわけで簡単なキャラ紹介。

Susan

スーザン: 主人公。仕事が忙しくてカレシなんていないと言っているものの、地球の職場の同僚ウルスラに「あなたみたいな可愛い子にカレシがいないなんて信じられない!」と言われて(ウルスラってほんと可愛い! 彼女に可愛いって言われちゃった!)と思ったりする辺り何処まで自覚があるのやら無いのやら。海賊達の仲間と思われているものの触覚もなく、海賊達自身もまだ断定まではできていない模様。

Captain_3  

キャプテン: 一話目では名前は呼ばれずにただキャプテンと呼ばれていた海賊団の船長。スーザン誘拐実行犯。自分たちがレズビアンの宇宙海賊であることを自分の口から明かしてスーザンをびっくりさせたかったらしく、アリスに先を越されたのを知るとスーザンの記憶を消そうとするなど随分子供っぽいところもある。しかし、夜道で振り向いてこんな格好の人物がいたらいくら女だからといって警戒するのが普通だと思うのだが……だから誘拐されるのか。

Wendy

ウェンディ: この海賊団の船医。眼鏡っ娘。今の所はそれくらい。ちなみに頭に生えている触覚は彼女たちのトレードマークらしい。

Velma

ヴェルマ: 自分の姿が映る鏡のような船内に驚いていたスーザンに「私もあなたくらい可愛かったら自分の姿に見とれてたかも」と声をかけ、「あら大変! 私と一緒に来て、濡れた服を脱がなきゃ!」と言いながら手持ちの飲み物をぶっかけて自分の部屋に連れ込み服を脱がせにかかる手練れ。

Marge

マージ: そんなヴェルマの突っ込み係、なのだろうが実際はどう見てもヴェルマが他の女の子に手を出すのが許せないようにしか見えない。ありがとうございました。宇宙船の操縦士でもあり、おそらくはこの海賊団の切り込み隊長でもあるのだろう。ちなみにWhat in Sappho's nameはWhat in God's nameのGodを古代ギリシアの詩人サッポーに置き換えただけだと思われる。

Alice

アリス: 海賊団のエンジニア。スーザンの脱走騒ぎの中、一人静かに『パイレーツ・ダイジェスト』を読んでいたり、恐慌に陥りかけたスーザンを落ち着かせるなど、海賊団の中で一番理知的で落ち着いた人物なのかも知れない。

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