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百合

2013-06-07

百合語り #50: 百合元年から10年目を迎えて~あれから10年も、この先10年も~

 今年2013年は百合元年から丁度10年目にあたる、みたいな感じでこの10年間の百合作品を羅列しながらあれこれ語ろうかと思ったけど書いていてめんどくさくなったのとつまんないので止め。その替わりにメモ代わり的な物を置いておく。

 ちなみに百合元年というのは2003年に発売された『百合天国~Girls Heaven~』Vol.1(大都社)の編集後書きにおいて宣言されたもので、同年に『コミック百合姫』(一迅社)の前身である『百合姉妹』(マガジン・マガジン)が創刊されているように当時としては百合作品の発売が集中したことから出てきた言葉。

 実際、この2003年を前後して漫画分野においては継続的に百合作品が供給されるようになり、アニメ分野でも毎期とまではいかないけれど通して見れば毎年何かしら百合的に盛り上がる作品が供給されようになった訳で、この10年間漫画とアニメの両輪で発展してきた百合ジャンルの最初の一歩が踏み出された年と言えると思う。

 もちろん2003年に突発的に百合ジャンルが立ち上がったわけではなく、『美少女戦士セーラームーン』シリーズや『マリア様がみてる』(今野緒雪/コバルト文庫/集英社)のヒットといった下地があり、2003年以前にも百合作品はいくつもあったわけで、2003年の百合元年は商業的にジャンルとして立ち上がり始めた年というのが正確だろう。

 個人的な百合ジャンル史観を開陳しておくと、

  • セラムン以前
  • セラムン~マリみて以前
  • マリみて~百合元年
  • 百合元年以降

といった感じになるだろうか。

 この中で一番重要なのはやはり「マリみて」だろう。『百合姉妹』が「マリみて」ブームに便乗した形で創刊されたように、「マリみて」のヒットが商業的な百合作品発売の敷居を下げたからこそ2003年の百合元年がもたらされた。そういう意味では「マリみて」は「百合ジャンル中興の祖」と言っていい。

 もっとも物事には必ず光と影、良い面と悪い面があるもので、「マリみて」ブームは私が日頃「マリみての呪い」と呼んでるような、

  • 高校生を中心とした思春期の物語
  • 精神的な繋がりを重視
  • 肉欲の排除
  • お姉様フォーマット

といった要素の偏重とある種の百合ジャンルのイメージの固定化を招いたのも事実(勿論「マリみて」という作品自体に罪はない)。この「マリみての呪い」からの脱却がこの10年間の百合ジャンルの一つの裏テーマだったと思う。それは今現在百合専門誌で展開される作品の設定や内容が多様化していること、『彩百合』(オークス)という性的な方面での専門誌も創刊されたことで、ある程度は解決出来ていると言えるだろう。時折、初心者と古参、ライトとマニアといった対立軸の中で表面化してくることはあるにしろ。

 さて、10年前と今の百合ジャンルを比べてみると、アニメ分野はあまり変らないけど力強く百合的に美味しいアニメを供給しており、漫画分野では毎月何かしらの百合作品単行本が複数出て、さらにはここ数年でゲーム分野で急速に百合作品が出るようになった、といった風に遙かに拡大しているのが分かる。一方で『つぼみ』(芳文社)の休刊やライトノベル分野での百合の枯渇といったようにまだまだネガティブな要素はある。

 そういうわけでこの先の10年間で求められる物は、百合ジャンルのさらなる安定化とライトノベル分野での百合の開発ということになるだろう。下品な感じで書けば、より百合が儲かるジャンルになれ、ということだ。まあ、そればかりは一消費者の身ではいかんともしがたいことなので、自分の出来る範囲で粛々と消費していくしかないのだけれど。

2013-01-25

百合語り #49(アメコミ語り #37): I Was Kidnapped By Lesbian Pirates From Outer Space #1 (Megan Rose Gedris/2008年/Platinum Studios Comics)

あらすじ

「私は大学を出て秘書という素晴らしい仕事に就いた普通の女の子。でも全てが変ってしまったの……レズビアンな宇宙海賊に攫われてしまった時から!!!」

 ある日、仕事で遅くなったスーザンは真夜中の道を歩いて帰宅することになる。そんな彼女の後を付ける黒い影。勇気を出して振り返るそこには一人の女が立っていた。安心したのもつかの間、彼女が奇妙な銃を取り出したのを見てスーザンは気絶してしまう。

 目覚めると、先ほどの彼女と共にスーザンは銀色に光り輝く見知らぬ部屋にいた。もう一人ドクター・ウェンディと呼ばれる女の子が入ってきて注射されそうになるも、何とか部屋から脱出、逆に二人を閉じ込める。

 出口を求めて彷徨うスーザンは次々にヴェルマ、マージ、アリスという女の子たちに出会う。そしてアリスによって衝撃の事実を知らされる。

「私は海賊に攫われてしまったの!?」

「そうですわ」

「しかもあなたたちは宇宙から来たの?」

「そうですわ。そして私たちはみんなレズビアンですの」

「レズビアン!?」

 結局鎮静剤などの助けもあり、落ち着いて船長(スーザンを攫った最初の女の子)の話を聞いたスーザンは自分が彼女たちの仲間であることを知る。

 そんなスーザンに自分たちの海賊稼業の様子を見せようと彼女たちは次の星へと向かう。

感想

 元々Webコミックスとして公開されていた漫画が書籍化、その電子書籍版がiVerse社の電子書籍アプリComicsPlusで公開されていたのでそれを読んだもの。ちなみに公式サイトでは今も無料公開されている上、第3章(現在電子書籍化されているのは第1章のみ)まで話が進んでいるのでそちらを読めば事足りる。

 カラリングも含めてちょっとレトロな感じなので(流石にデフォルメはそうでもないが)、まあ割と多くの人が楽しめるんではないだろうか。

 というわけで簡単なキャラ紹介。

Susan

スーザン: 主人公。仕事が忙しくてカレシなんていないと言っているものの、地球の職場の同僚ウルスラに「あなたみたいな可愛い子にカレシがいないなんて信じられない!」と言われて(ウルスラってほんと可愛い! 彼女に可愛いって言われちゃった!)と思ったりする辺り何処まで自覚があるのやら無いのやら。海賊達の仲間と思われているものの触覚もなく、海賊達自身もまだ断定まではできていない模様。

Captain_3  

キャプテン: 一話目では名前は呼ばれずにただキャプテンと呼ばれていた海賊団の船長。スーザン誘拐実行犯。自分たちがレズビアンの宇宙海賊であることを自分の口から明かしてスーザンをびっくりさせたかったらしく、アリスに先を越されたのを知るとスーザンの記憶を消そうとするなど随分子供っぽいところもある。しかし、夜道で振り向いてこんな格好の人物がいたらいくら女だからといって警戒するのが普通だと思うのだが……だから誘拐されるのか。

Wendy

ウェンディ: この海賊団の船医。眼鏡っ娘。今の所はそれくらい。ちなみに頭に生えている触覚は彼女たちのトレードマークらしい。

Velma

ヴェルマ: 自分の姿が映る鏡のような船内に驚いていたスーザンに「私もあなたくらい可愛かったら自分の姿に見とれてたかも」と声をかけ、「あら大変! 私と一緒に来て、濡れた服を脱がなきゃ!」と言いながら手持ちの飲み物をぶっかけて自分の部屋に連れ込み服を脱がせにかかる手練れ。

Marge

マージ: そんなヴェルマの突っ込み係、なのだろうが実際はどう見てもヴェルマが他の女の子に手を出すのが許せないようにしか見えない。ありがとうございました。宇宙船の操縦士でもあり、おそらくはこの海賊団の切り込み隊長でもあるのだろう。ちなみにWhat in Sappho's nameはWhat in God's nameのGodを古代ギリシアの詩人サッポーに置き換えただけだと思われる。

Alice

アリス: 海賊団のエンジニア。スーザンの脱走騒ぎの中、一人静かに『パイレーツ・ダイジェスト』を読んでいたり、恐慌に陥りかけたスーザンを落ち着かせるなど、海賊団の中で一番理知的で落ち着いた人物なのかも知れない。

2013-01-19

百合語り #48: 遂に始まる百合姫オンラインこと「ニコニコ百合姫」

 情報はこちらを見てもらうとして、『コミック百合姫S』休刊後の連載作品の受け皿として計画されていた旧百合姫オンラインとは違い、本誌連載作品の増刊号的掲載+αというあくまでも本誌の補完的役割を持ったWeb雑誌という感じ。

 企画自体はおそらく『ゆるゆり♪♪』放送終了前後から進んでいたと思うけど、『つぼみ』休刊直後というタイミングに偶数月18日更新ということでなんとなく狙ったような感じになってしまうのは致し方ないか。

 とりあえず軌道に乗って、本誌とは違った色を出せるようになるまで発展できれば嬉しい。

 それはともかく。読もう、壇蜜も読んでる『コミック百合姫』。

2013-01-11

百合語り #47: 『ジョシコーセーの成分。 SCHOOL GIRL OVERFLOW』(ハセガワケイスケ/2013年/アスキー・メディアワークス)

※SPOILER WARNING!!
ネタバレあり。

 念のため書いておくと、恋愛的な意味での百合はここにはない。

 主人公の美樹本花鈴は入学式の日の盛大に遅刻したことと持ち前の自信のなさと自虐的な性格からクラスで友達を作れずにぼっちで浮いた状態になってしまい孤独主義者を高校一年生。自分とは違いあまりにもまぶしく輝くお姫様系美少女で熱烈に好いてくれる友達を何人も持つ隣の席の安比奈ひな子を苦手に思いつつも羨ましく思い、そして強く惹かれている。

 そんな感じだから、割とネガティブ、というか後ろ向きな感情や行動が頻繁に出てくる。例えば雨の日に傘を持ってきた花鈴が持ってこなかったひな子たちが雨の中飛び出し濡れながらはしゃぐ姿を横目に見て傘なんて忘れてれば良かったと思ってしまったり、自分の席で机に伏して寝たふりしながら隣の席の会話に聞き耳立てたり。

 とは言っても、深刻なほど重くはない。浮いているからと言って別にいじめられるわけでもなく、むしろ浮いている=変っているという認識でクラスには受け入れられているし、実はひな子とその友人達にも興味を持たれている。本人が気がつかないだけで。何歩か踏み出せば自然と浮いた状態から地に足を付けた状態でクラスに溶け込めるだろうし、実際ひな子とその友人達ともっと近づいた状態になることを暗示するような描写もいくつかある。ただ残念なことに今回の話ではそこまで行ってはいないのだけれども。それに寮で同室の同級生とはきちんと友達になっているし(他のクラスだけど)、自分と同じような境遇の女の子には積極的にアタックして友達になっている(他のクラスだけど)。

 昔森田公一とトップギャランというグループがヒットさせた「青春時代」という曲に「青春時代の真ん中は 道に迷っているばかり」という歌詞がある(作詞は阿久悠だ)。美樹本花鈴はそういう迷いのど真ん中にいるだけなのだ。そしてそんな彼女を取り巻く人々はとても柔らかくて優しい。だから読んでるこちらの青春のトラウマをちくちく刺激するようなことはあっても絶望的なまでに落ちこむことはない。そういう意味では凄くゆるい。でもゆるいからこそ何度も読み返したくなるような読後の爽やかさが生まれるのだと思う。つまるところ、この作品は素晴らしい青春小説ということになる。

 ただまあ凄く読み手を選ぶ作品ではあるとも思う。大部分が凄くふわふわした感じのpoeticな文体であるため好き嫌いがはっきり分かれそう。poeticな文体だからこそ「ジョシコーセー」的なキラキラふわふわした雰囲気が出せているのだけれども。あとエピソードごとに分かれている短編の詰め合わせであるので文体の壁を乗り越えれば凄く読みやすい、はず。

 肝心な百合的な要素だけれども、冒頭に書いたように恋愛的な要素ではない。しかし花鈴がひな子と物理的に近づい自分が男子中学生だったらと思う程度の反応は見せるし、ひな子を取り巻く友人達は過剰なまでのひな子好きっぷりをみせるし、花鈴の友人にも美少女好きがいる。漫画だったら疑いもなく多くの人が百合作品だと断定してしまう程度には百合ではある。だから百合オタは安心して買うと良いと思うよ。

 本全体としてはキャラ紹介と状況解説的な物語のプロローグに終始した感があるので是非続きが読みたいと思う。いくつか次に続く要素も仕込まれているし、作者も続きを書く気持ちはありそう。そのためにはまず売上げなのだけれどもね。

2012-12-14

百合語り #46: 『つぼみ』休刊

 少し前から噂されていた芳文社の百合アンソロジー誌『つぼみ』の休刊が12月12日に発売されたVol.21で発表された。

コミックナタリー - 百合アンソロジーのつぼみ休刊、単行本は継続して刊行

 巻末コメントによれば、連載作品の内「しまいずむ」(吉富昭仁)は今号で終了、「神さまばかり恋をする」(一花ハナ)、「ひみつのレシピ」(森永みるく)、「魚の見る夢」(小川麻衣子)、「少女サテライト」(はみ)はweb(おそらくはここ)で続くことが明言されている( 「ベツキス」(百合原明)も媒体は明言されていないものの続くようではある)。かずといずみ先生のブログによれば来年の3月までは確実にwebコミックは更新されるようであり、2013年の前半までは単行本を含めてまだ動きはあるようである。

 ただ巻末の編集部コメントを見る限りでは、連載漫画のwebへの移行は形態を変更して『つぼみ』を続けるというよりも残務処理的な処置のように感じる。おそらくはどの連載も次の単行本で終わりになるのではないだろうか。

 ちなみに今の所、単行本は1月に『じょしけん。』(のん)、2月に『しまいずむ』第3巻(吉富昭仁)と『星川銀座四丁目』第3巻(玄鉄絢)が出る予定。

2012-11-19

百合語り #45: 百合目線で『たまゆり妖女学園』の改善案を考えてみる

 多分世界で初の百合を謳ったソーシャルゲームである『たまゆり妖女学園』は、色々足りない部分があるゲームだけれども、百合を謳ってるからこそ一番改善して点がキャラの没個性な描写だ(正確に言えばキャラの描写がほとんど無い)。

 Twitterでも指摘されている方がいたが、キャラ(カード)のパーソナルな情報が全くないからこちらでキャラ同士で百合という関係性を構築しようにもできないのだ。一応カップリングカードがあるキャラはソロカードの解説の部分でも誰に好意を抱いているかということは書いてある。しかしそのほかのカードはその妖女の妖怪としての特徴を書いてあるに過ぎず(もしかしたら『妖女大戦』からの流用かもしれない)、本当に味気ない。

 まがりなりにも学園が舞台なのだから、キャラの学園生活の様子、所属部活、誰と同じクラスなのか、誰と仲が良い(あるいは悪い)のか、という情報ぐらいは必要ではないだろうか。そういう情報を組み合わせることによって百合妄想ができるようになるのだから。しかもこの手のゲームには珍しくカード自体に独自の名前を付けることができるというカードに愛着を持ちやすい(そして百合妄想がしやすくなる)システムが導入されているのだから。

 この点を改善すれば百合オタがもう少し楽しめるゲームになるのだけれど。

2012-11-17

百合語り #44: 百合ソーシャルゲー『たまゆり妖女学園』をやってみた

百合なソーシャルゲームは「カップリングカード」でバトル? 「たまゆり妖女学園」: 百合佳話 [ゆり/かわ]

 こちらの記事から知った百合ソーシャルゲームをやってみた。

 ……開始1週間経ってるのにアクティブユニークユーザーが300人いってなさそうな感じだけど大丈夫?

妖し幼女が百合恋愛を楽しむソーシャルゲーム!? 『たまゆり妖女学園』で、恋愛が禁止された学園から自由を取り戻せ! | アニメイトTV アニメアプリ!(アニアプ!)

 どうもこのゲーム、同じ製作会社が提供している『妖女大戦』の派生というか亜流ゲームっぽい。『妖女大戦』のキャラが多く流用されていて(流石にグラフィックは書き直されているっぽいけど)、人・獣・万という区分などをはじめとするシステム、インターフェース周りも『妖女大戦』のままという感じ。サーバの問題かもしれないけど、ボタンを押したあとのレスポンスがもっさりしていて結構苦痛。

 肝心の百合に関しては、ストーリー部分がほとんどないに等しいから相当薄い。ただカップ固定だけどカップリングカードがあるところは評価したいかな。プレイヤーが明確に男として扱われていて、(妖女しかいない)学園内での恋愛禁止を強要する生徒会と戦うという構図になっているけど、これよく考えたら質の悪い百合男子だわー。

 もう少しレスポンスが良くて百合を前面に押し出した感じ(キャラカード解説でそのキャラの百合要素に触れてるのがほとんど無いというのはあまりにもね)だとオススメしやすいんだけど、現状はあまりねえ。

 というかメインターゲットであるはずの百合に関心がある層に向けてきちんと宣伝できてない気がするんだけど、やる気あるの?

2012-10-05

百合語り #43: 意思と世界と百合の物語 - 『裸足のキメラ』(大北紘子/2012年/一迅社)

 最近は他人の百合作品の感想を見ることすら苦痛に感じてしまい積極的に避けているので、実際どうなのかはわからないけれど好き嫌いのはっきり分かれそうな作家および本だとは思う。基本的にどの作品も抑圧された女性が主人公で、キャラに男性ヘイトな台詞を喋らせているものまであり、そしてストレートなハッピーエンドではない、という色んな方面のヒートを買いそうな作風だからね。

 「名もなき草の花の野に」の少女娼館、「欠け落ちて盗めるこころ」の男は兵役に女は結婚して子供産むことが求められている戦時下の社会、「裸足のキメラ」の貧富の差が激しい階級社会、「はんぶんこ」の家に縛り付けられる田舎。

 大半の作品はこのような抑圧的な世界が舞台で、主人公たちはそんな世界に手足を鎖で縛り付けられている。もちろんその中で男は抑圧側の存在になるわけだけど、実はそれほど前面に出てきていない。あくまで象徴であって、直接的な男への抵抗が描かれるのは「名もなき草の花の野に」くらいなもの。

 基本的に主人公たちが行き着く先は世界へのささやかな(あるいは密やかな)resistanceであり、それは決して世界を変えることも、世界によって定められた自分たちの運命を変えることもできないが、それでも彼女たちは自分たちの意思を持って決断することによりままにならない世界の中で生きていく力を得ている。そしてその切っ掛け、あるいは武器として描かれるのが百合的な関係・気持ちなのだ。

 こうした作品がどこか日本を思い出させながらも現代日本社会とは直接リンクしていない異世界を舞台にしているのは生々しくなってしまうのと、リンクしてしまうと逆に絵空事感が増してしまう為なのだろう。男女関係にスポットを当てて依存からの脱却を訴える「花々に似た蟲」と「愛と仕事と金の話をしよう」が現代日本社会を舞台にしているのもその辺の加減からだと思う。

 そういう意味ではこの本には二種類のタイプの作品が載っているわけだが、個人的にはやはり異世界を舞台にした世界へのresistanceの物語が好み。こっちの路線を追究していくと、おそらく今の百合ジャンルで手薄で女性向けライトノベルで隆盛なファンタジーものへ行き着くこともできるので、ぜひ最終的にはきっかりきっちりした設定があるヒロイックファンタジーを連載して欲しいと思う。

2012-10-01

百合語り #42: 百合姫ネイティブが世界を変える - 『ブラックヤギーと劇薬まどれーぬ』(大沢やよい/2012年/一迅社)

 『コミック百合姫』を読んでいて何故だか知らないけれど非常に気になる作家だった大沢やよいの初単行本。

 あらためて単行本でまとめて作品を読むと、どの作品も話自体はオーソドックスだけどど真ん中直球で描いているという印象が強い。後書きにある作者による作品解説で書かれているそれぞれの作品のテーマ的なものが本当にストレートに描れていて、さらにそれぞれのキャラのまっすぐな想い、そのまっすぐさ故に傷つく心・揺れ動く心が気負いを持って描かれている。その力みすぎたストレートさに私は惹かれたのだなあ、と。

 言ってしまえば青いということなのだけれども、その青さは「百合の初期衝動」に突き動かされるままにがむしゃらに描いているという感じの青さであり、それが魅力になっているのが大沢やよいという作家だと思う。そういう意味では「今しか描けないテーマ」ということでニコ生を題材にした「ブラックヤギーと劇薬まどれーぬ」は大沢やよいのpersonalityを最も色濃く反映していて、単行本タイトルになるのも、初の連載としてその続編を描くのも当然と言っていい作品であり、勿論私も一番のお気に入り作品。

 個人的に「ブラまど」のような作品が2003年の百合元年から約10年経とうとしている今出てきたこと、中学時代に百合姫と出会って百合に覚醒し最近になって漫画を描き始めた大沢やよいという作家が10代でデビューしたということは、これから百合ジャンルに次世代の波、新世代の百合オタが押し寄せる先触れ・象徴みたいなものだと思っている。

 これから先益々大沢やよいのように百合心ついた時にはすでに百合専門誌が存在していたという世代が百合ジャンルに登場していくだろうし、五年後十年後にはリニューアルした『コミック百合姫』や『つぼみ』『ひらり、』あるいは『ゆるゆり』のヒットの影響を受けた世代も現れるだろう。

 そうやって世代を重ねながら百合ジャンルが拡張更新され続いて行く幸せな未来を予感させる光がこの本にはある。

2012-09-25

百合語り #41: 大室家の12

 撫子さんのおさがりを着た櫻子が美少女すぎた。何だかんだ言ってほんとこの三姉妹は仲が良くて見ていて嬉しくなる。何かしらの形で続くことが既に予告されているからか、一応の最終回なはずなのに全然最終回ではない感じ。

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